種子島から北海道まで
花を求めての旅
初春、寒さが緩みはじめるともう蜂づくり(建勢)の季節。
九州の南・種子島から北は北海道まで、とりどりの花を求めて
約2000群(約6000万匹)のミツバチとの「採蜜の旅」が始まります。
そして北海道では8月下旬から越冬の準備が始まり、11月に蜂たちは九州へと戻ります。


クローバーの花青森県・北海道
6月下旬・7月

ソバの花北海道
7月下旬~8月中旬

ボダイジュ(シナノキ)の花北海道
7月下旬~8月上旬

リンゴの花青森県
5月中旬

マロニエ(トチノキ)の花秋田県・青森県
5月下旬

アカシアの花秋田県・青森県
6月

クロバナエンジュの花秋田県
6月下旬

レンゲの花鹿児島県・熊本県・福岡県
4月初旬~5月上旬

蜂屋の
四季暦
春の息吹を感じる2月あたりから、ミツバチの建勢(蜂づくり)が始まり、採蜜は4月鹿児島からスタートして、花を求めての旅は北海道で終わります。
8月中旬から越冬に向けての蜂づくりが再び始まり、11月中旬ミツバチは南九州に戻り越冬します。
ミツバチは越冬期間中で、巣箱の中で静かに暮らしています。
養蜂家は、新しい巣箱、巣枠の製作など、次期の生産に向けての準備を行います。
春が待ち遠しい時期です。
● 藤井グループ会

藤井養蜂場の生産技術を取得した現役養蜂家、後継者の人達が年に1回集まり、情報交換とお互いの健康と無事を祈ります。毎年、この藤井グループ会から始まり、それぞれの転地先で養蜂がスタートします。
春が間近にせまり、巣箱の中では女王蜂が活動を始め、
越冬期間中に少なくなった働き蜂を増やすために産卵を開始する時期です。
養蜂家も忙しくなります。
● 種子島へ出発・蜂づくり

「そろそろ春だよ!活動開始だよ!」越冬していたミツバチの様子を確認するため種子島へ。採蜜に向けての準備が始まります。
鹿児島では春の到来です。
ミツバチは女王蜂が卵を産み働き蜂を増やし、1群あたりの蜂の数を増やして群の力を回復します。
養蜂家もそれらミツバチの活動を助けます。
● 鹿児島の菜の花

鹿児島は菜の花が満開に。ミツバチ達も活気が出てきました。菜の花の花粉がミツバチを育て、春の到来を告げてくれます。
いよいよ春本番!はちみつの生産開始です。
南から鹿児島、その次熊本のレンゲの生産が終了すると、すぐに青森、秋田へと移動。
本当に忙しい季節の到来です。
● レンゲの採蜜はじまる

巣箱設置地の地主さんと地元農家さん協力のもと、巣箱の4km四方に約25俵のレンゲ種を農家さんに無料配布して咲かせる見事なレンゲ畑!
ミツバチ達がレンゲの蜜を集めてくれます。
● リンゴ農家さんが待つ青森へ向けて移動

レンゲが終わるころ、青森のリンゴ農家さんから開花時期の連絡が入ります。リンゴの受粉のためにミツバチを待っているのです。約2000群のミツバチを大型トラック5台に積み込み、一気に青森まで移動します。
九州から一気に青森に到着。
リンゴ農家さんとの再会を喜びながら、巣箱をトラックから降ろしてリンゴ畑へ設置し、採蜜が始まります。
平地のリンゴが終わると、ミツバチを移動して後半は山間部のトチヘ移リます。最も忙しい季節です。
● リンゴの採蜜はじまる

リンゴ農家さん、仲間の養蜂家、地元の友人に協力してもらいミツバチをリンゴ畑に分配します。リンゴの花が満開になればあとは天気と気温次第なので、採蜜できるまでミツバチ達に任せます。
● 山間部へ移動 マロニエ(トチノキ)の採蜜はじまる

リンゴの花が散ると、今度は山間部へ移動してマロニエ(トチノキ)を目指します。人間の都合より、すべては自然やミツバチのタイミング。この時期の養蜂家は自分の仕事に没頭します。
リンゴ、トチが終わると全てのミツバチをアカシアの花のあるところに移動します。
この時期ははちみつを採ってはミツバチを移動させ、、を繰り返す大忙しの日々!
秋田での採蜜が終わると、いよいよ最終地北海道に向けて出発します。
● アカシアの採蜜はじまる

国産はちみつで人気のあるアカシアのはちみつの採蜜が始まります。
● いよいよ北海道へ

旅館のご家族、巣箱を置かせてもらっている地主さん達、食堂のご夫婦、沢山の人にご挨拶をして回リます。別れの寂しさより『来年も元気で再会しましょう!』と仕事への活力を分けてもらう感じです。
船で釧路の地に位置する標茶町(しべちゃちょう)へ。
到着後はやはりミツバチ最優先!
約60ヶ所に分散して配置します。
● クローバー・百花蜜の採蜜はじまる

自然の花々が多い北海道は、すぐに採れる状態になります。はちみつをわけてもらった巣箱からは早速ミツバチ達が忙しそうにまたはちみつ集めに飛び出して行きます。
● 年で最後の蜜源シナ山でボダイジュ(シナノキ)を採蜜

同じ北海道でも、クローバーの蜜源からは100キロ以上離れたシナの蜜源へ。いよいよ一年で最後の蜜源です。
シナの採蜜をして中旬には主な蜜源がなくなリ、生産シーズンの終了です。
目まぐるしい日々から一息つくと同時に、あらためてミツバチと自然に感謝する気持ちが強くなる時期です。
● ボダイジュ(シナノキ)・ソバ・百花蜜の採蜜

香り高いはちみつがたくさん採れます。一面に広がるソバの花。小さな白い花から採れるソバはちみつは独特な黒色と香りが特徴です。
生産も終了し、越冬へ向けての準備期間となります。
● スズメバチの捕獲

この時期になるとオオスズメバチやキイロスズメバチがミツバチを捕獲しようと強襲してきます。特製捕獲器を設置してミツバチ達を守ります。
● 巣礎づくり ~来年へ向けて~

北海道での採蜜作業も終盤になると来年使うであろう蜂の巣の元(スソ)をみんなで作成します。
● 北海道から九州へ

いよいよ九州に帰ります。主力のミツバチ達は北海道に残し、花粉交配用に農家の人に貸し出す一部のミツバチと共に南下を開始します。青森で一旦巣箱を降ろし、入り口を開放した巣箱を再びトラックに積み込み青森を出発します。ミツバチを乗せているので気を使いながら九州を目指します!到着予定は24時間後。
ミツバチは北海道に置いて、ひとまず福岡に帰ります。
福岡では、福岡の生産チームと地元に残していたミツバチの世話をし、北海道からの本隊の受け入れ準備を進めます。
● 巣箱の手入れ

福岡に帰ってきてからの大切な仕事の一つ「巣箱のメンテナンス」。巣箱の基本材質は木材なので加工・修理は慣れれば簡単です。
● 巣箱づくり

来年に向けての巣箱を作ります。
11月になると九州の気温も下がりミツバチの輸送ができるようになるので、
再び北海道へ走り、残してきた巣箱を引き上けて一緒に九州に帰ります。
● 北海道から九州へミツバチ輸送

トラックに巣箱を積み込み、福岡・朝倉へ。
何故一度にミツバチを輸送しないのか?それは9月の九州はまだ暑すぎて、熱に弱いミツバチは輸送中に死ぬ恐れがあるため、この時期に再び北上しミツバチを九州に送るのです。
北海道からのミツバチをすべて九州へ移動完了です。
越冬期間に少しずつ働き蜂が息絶えて少なくなりますので、働き蜂の数を最大限に増やしエサ蜜もしっかり貯えさせます。
養蜂家の腕の見せどころです。無事越冬してくれることを祈ります。
● 越冬準備

ミツバチも本格的な冬を迎えて越冬の時期です。蜂箱の蓋裏に新聞紙と厚手の紙を挟んで、少しでも保温性を上げています。今年もミツバチのおかげで年を越せます。
● ミツバチを種子島へ輸送

九州とはいえ、福岡も日に日に寒くなりますのでミツバチを暖かい種子島へ輸送します。